音楽的に、大きな転換期を迎えたソナタ・アークティカの6thアルバム!
5点中4点
ソングライターとしての、トニー・カッコ(vo)の進化を大いに披露した前作「ウニア」だが、それはファンが求める「ソナタ・アークティカ像」から大きくズレが生じた為に、結果として今一つ評価されない後味の悪い作品となってしまった。本作は、その「ウニア」に続く通算6枚目のスタジオアルバム。
SE〜ピアノのイントロで幕を明け、「デスオーラ」に繋がって行く劇的な構成は、これから始まる壮大な旅への序章である。全編を通して「ウニア」の流れを踏まえつつ、よりシンフォニックでプログレッシヴになり、新たな領域へ踏み込んだソナタ・アークティカのサウンドを展開。一度聴いただけでは、アルバムの全体像を把握するのは難しく、聴き手の集中力と想像力が必要とされる超大作である。「エクリプティカ」と比べれば、音楽的な違いは歴然だが、「レコニング・ナイト」〜「ウニア」〜本作と続けて考えれば、今回のサウンドはこう成るべくして成ったと言えるのではないか。
本作は、スピードメタルの作品を聴く感覚では無く、プログレッシヴロックの作品を聴く時のような気持で接すると良いかも知れない。初期のファンなら気になる「速い曲はあるのか?」という問いに対する答えは微妙な所だ。速いパートは確かにあるが、リズムが変化する為に、「ブランク・ファイル」のようにストレートに速さが伝わって来る曲は無いと言った方が良いかも知れない。だが初期のように疾走曲ばかりを並べれば、ファンから大きな拍手で迎えられることは間違いないが、実際にそんな事はせず、「ウニア」から次の領域へ前進する事を決めたバンドの決断に、私は拍手を贈りたい。
シンォニックメタル化成功
5点中5点
フィンランドのメロディックメタルバンド、ソナタ・アークティカのアルバム。2009作
前作「UNIA」は普遍的なハードロックへの接近を見せた好作であったが、
本作ではファンタジックでコンセプト的なシンフォニックメタルの力作となった。
美しくももの悲しいイントロから女性声の語りが入って、まるで映画のような序曲から
いよいよ楽曲が始まると、壮麗なシンセをバックにしてRHAPSODYばりにきらびやかに疾走。
次々に押し寄せるドラマティックな高揚感と、緩急を付けたストーリー的な楽曲構成は
これまでの彼らには見られなかったもので、この吹っ切れたような大仰さが素晴らしい。
オペラティックなメタルという点ではKAMELOT的でもあるが、より繊細なファンタジーの表現が、
見事な結晶となって音に現れている。このバンドの新たな側面をまざまざと見せつけた傑作である。